真空管の交換時期を見極める3つのこと【寿命についても解説】

真空管

真空管 交換時期 寿命

真空管の交換時期を知りたい人「真空管の交換時期が知りたいな。古いものだし、情報も少ないから詳しい人の意見が聞きたい。できれば、真空管を長持ちさせたいので、メンテナンス方法や交換するときの注意点も合わせて知りたいな。」

このような疑問に答えていきます。

この記事を書いている僕は真空管アンプの使用歴が5年以上。
真空管の総保有数が100本ほどです。

 

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アメリカ、Woo Audio 「WA22」,「WA8」という真空管アンプを使用しており、真空管の音色を楽しんでいます。

専門用語をなるべく避けつつ、初心者の方でもわかるような解説をしていきます。

少しボリームがありますが、最後までお付き合いいただけると幸いです。

この記事の目次

真空管の交換時期を見極める3つのこと

真空管の交換時期を見極める3つのこと
真空管の交換時期を見極めるべきポイントは下記のとおりです。

真空管は消耗品のため、電球のようにいつかは寿命を迎えます。

交換時期を見極めつつ、真空管の音色を楽しみましょう。

ポイント①:真空管のゲッターが薄くなってきた

真空管のゲッターが薄くなってきた
真空管の内部には不純物を吸着して、真空度を維持するための「ゲッター」といわれる膜が散布されています。

ゲッター膜は、基本的に管内の上下(ない場合もある)のどちらかに塗布されており、銀色やクローム色なのが特徴。

真空管の「真空度」が低くなるとゲッターの面積は少なくなります。

なお、下記で述べますが、ゲッター面が白く濁った場合はその真空管は使えませんので注意点しましょう。

具体例:真空が抜けた真空管

真空が抜けた真空管
真空が抜けて白くなった真空管です。

  • 原因①:真空管の寿命を迎えた
  • 原因②:ヒビ割れなどで真空が抜けた
  • 原因③:適性電圧を超えて使い続けた

真空が抜ける原因は上記のとおり。

とはいえ、必ずしも「ゲッターの面積が少ないから寿命が短い」と言われればそんなことはありません。

古い「ビンテージ真空管」の中には、新品の状態であってもゲッターの散布量が少ない球もあります。

具体例:ゲッター面積が少ない真空管

ゲッター面積が少ない真空管
真空管マニアの界隈では有名な「Western Electric」を見てみましょう。

1953年製 Western Electric 421A。
1940~50年代初期は、ゲッター面積がかなり少ない個体を確認できます。

上記のことから、必ずしもゲッターのみでは「寿命を図れない」のが確認できます。

つまり、ゲッターの面積については、一概に寿命と紐づくわけではないです。

ポイント②:音(左右chの音圧バランス)に違和感がある

実際に音楽を聴いていると、下記のような不具合が出る場合があります。

  • 症例①:左右chに音圧差が出てきて違和感がある
  • 症例②:ヴーン・ピーなどの異音が鳴る

上記のような不調が出ましたら、真空管の寿命が近づいている可能性があります。

症例①:左右chに音圧差が出てきて違和感がある

そもそも真空管の特性が揃っていない場合があります。

どちらかが新品、一方が寿命に近いケース。
內部特性のバランスが取れていないため、音圧差が確認されることも。

真空管を購入する際は、必ず精密測定されたものを選びましょう。

音圧差や異常のある真空管を使うと、お使いの機材が壊れるリスクがあるからです。

なお、僕は真空管試験機「AMPLITREX AT1000」を導入しており、真空管の精密な內部特性をデジタル測定しています。
大切な真空管の寿命測定や選定をしたいという方は、「真空管測定サービス」を受けております。お気軽にご連絡下さい。追って返信いたします。

症例②:ヴーン・ピーなどの異音が鳴る

真空管の內部に異常があると、音に異音が入ります。

  • 具体例①:內部でカラカラ音がする
  • 具体例②:內部でショートしている
  • 具体例③:內部パーツや配線が破損しかかっている

ぶっちゃけ、管内の異常は対処ができません、、わりとショックですが、これはどうにもできないので交換対象となります。

特に「具体例②:內部でショートしている」はアンプを壊しかねないので深堀りしていきましょう。

具体例②:內部でショートしている

真空管 寿命
內部でショートしている真空管を使うと、アンプの電源を入れた瞬間に内部でスパークすることがあります。

ショートしている真空管は使用不可能ですので、すぐに電源を切って破棄しましょう。

繰り返しですが、アンプを傷めるリスクがあるので注意が必要です。
» 真空管の精密検査はこちら

ポイント③:內部に白いチリが見える

真空管の真空が抜けてきた、あるいは寿命が来ているサインの1つに「白いチリ」が管内に確認できます。

中古球やヒビ割れた真空管で見られる現象なので確認してみましょう。

すぐに寿命を迎えるわけではないですが、いずれゲッター部分が白くなります。

いいパフォーマンスは期待できなため、新しい真空管に交換をオススメします。

真空管の寿命について

真空管の寿命について
一般的に真空管の寿命は5,000時間と言われています。

とはいえ、一気に使えなくなるわけではなく、電子放射能力が半分になる時点が5000時間で実際はもっと使えます。

なお、真空管のタイプによって寿命は違っており、まずは下記をご覧ください。

真空管の寿命一覧

  • 電力増幅管(出力管):5000時間
  • 電圧増幅管(ドライバー管):10000時間
  • 整流管:1000~2000時間

上記のとおりで、常に全開で動作している整流管は短命となります。

さらに、年単位で見ると、

  • 電力増幅管(出力管):7年
  • 電圧増幅管(ドライバー管):14年
  • 整流管:1~3年

となます。

ちなみに、真空管には軍用管とよばれる規格もあり、民生管よりも耐久性があり長寿命です。
つまり真空管の規格でも、寿命の違いがあるため、あくまで目安の1つと考えましょう。

結論:真空管を交換しよう

真空管の寿命を延ばすためには、スペアの球と入れ替えながら楽しみましょう。

特に、整流管と出力管はスペアがほしいところ。

真空管を入れ替えつつ、各真空管の音色を聴くのも格別ですよ。

真空管の音色については、真空管の交換で音が変わる理由を解説【100本交換してわかったこと】で深堀りをしているので、真空管の音質差が気になる方は必須です。

真空管を長持ちさせるためのメンテナンス法を解説

真空管を長持ちさせるためのメンテナンス法を解説
結論、真空管にできるメンテナンス法はほぼありません。

解説と言っておきながらスミマセン、、、しかし事実ですm(__)m

あるとしたら、真空管の足ピン部分を紙やすりで磨いて、ノイズの発生リスクを下げるくらいでしょうか。

または、ガラスについた「手垢」や「ホコリ」などを軽くふき取る程度です。

落下や衝撃に注意すれば取り扱いは問題ありません。

真空管は開封ができないため、管内異物もそのままとなります。

適性な電圧を真空管にかける

真空管のメンテナンス方法は少ないです。しかし、日頃から心がけるべき「メンテナンス以上に大切なこと」があります。

最重要は、真空管に適性な電圧をかけましょう。

「ヒーター電圧」が上がりすぎると、真空管の寿命が短くなります。

かなり重要なので覚えておきたい注意事項です。

解決方法:アンプの適性電圧をしっかり厳守する

具体的な解決方法は「真空管アンプの適切電圧を厳守する」です。

シンプルですが、わりと見落としがちです。

なお、僕はWoo Audio WA22を使っており、適性電圧は115vです。電源を入れる前にテスターにて必ず電圧チェックをしています。

電圧変動がある

適性な電圧についてはかなり重要なので、もう少し深掘りしますね。
繰り返しですが、僕が愛用している「Woo Audio WA22」は115v使用です。日本は100vなので電圧が足りていません。

なので、スライダックトランスという機器で正確な昇圧をしつつ、アンプの電源を入れる前にテスターにて電圧のチェックをしています。

コンセント、昇圧トランスを測定していると気づきますが、地域や時間帯によって電圧差があるんです、、

具体例:時間帯による電圧変動

僕が実際に測定した結果は下記のとおりです。

  • 朝→132v
  • 昼→142v
  • 夜→160v

ちょっと極端ですが、事実です。

適性電圧が115vなので、測定値が132vだと低すぎですね。本来のパフォーマンスが期待できません、、
逆に160vはオーバーでしており、ヒーターの寿命を縮めてしまいます...。

住んでいる建物も関係しているのかもしれません。

知らない間に真空管に負荷を掛けているケースがあるため、この機会にチェックしてみましょう。

なお、スライダックトランスは0~130vまで細かく対応しています。国内から海外製品まで利用が可能。真空管アンプをお持ちの方は必須だと思います。
» スライダックトランスはこちら

テスターは見やすいものを選びましょう。Slscyxのテスターはシンプルで見やすく、老眼の方にもおすすめです。
» Slscyxのテスターはこちら

真空管を交換する際に気を付けるべき3つの注意点

真空管を交換する際に気を付けるべき3つの注意点
最後に真空管を交換する際の注意点を解説して本記事を終えようと思います。

  • 注意点①:アンプの電源ケーブルを外す
  • 注意点②:真空管の熱を完全に冷ましてから交換する
  • 注意点③:真空管の抜き差しは真っすぐ力を抜いてゆっくりと

大きくわけてこの3つになります。

注意点①:アンプの電源ケーブルを外す

真空管アンプの種類にもよります。

Woo Audio WA22のような、アンプの外側に真空管を搭載するタイプなら気にしなくてOK。

內部から真空管を交換する場合は、感電の危険性があります。
かならず電源を切り、大元の電源ケーブルを外した後に交換しましょう。

とはいえ、アンプのコンデンサー等に高電圧がかかっている可能性があり、大変危険です。

真空管を交換するゴム手袋をするか、メーカーのサポートに依頼することを強くおすすめします。

注意点②:真空管の熱を完全に冷ましてから交換する

真空管は、稼働すると高熱を発します。

電源を切っても、しばらくは手で触れられないくらい熱いです。

火傷防止のためにも、ある程度時間を置いてから真空管の交換をしましょう。

注意点③:真空管の抜き差しは真っすぐ力を抜いてゆっくりと

真空管の抜き差しは力が入りがちです。
アンプの真空管ソケットや変換ソケットはわりと硬いですよね。

無理な力を加えて真空管の抜き差しをすると、真空管の足ピンを曲げたり、ガラス部分とソケットの接着が外れる可能性があります。

なので、まっすぐ引き抜きつつ、ゆっくり交換をしましょう。

どうしても外れない場合は、軽く揺さぶりながら引き抜くと外れやすくなりますよ。
なお、真空管の交換に関しては、真空管の交換方法【簡単な3つの手順】にて網羅していますので参考までにどうぞ。

今回は以上となります。良き真空管ライフをお過し下さい。

それでは、miya ( @yo_ta2202)でした。